ここは私に乗馬のすべてを教えてくださった、大好きなお馬さんの馬房です。ずっとずっと馬房のなかで、一緒に過ごしていたかった大好きな方を、感謝を込めてご紹介いたします。
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『馬に乗ってみよう!』と決心させてくれたのが大好きなサイレンススズカなら、何度落馬しても、やめずに続けようという気持ちにさせてくれたのがこのアイノチャージャーでした。1980年5月19日、父パーソナリティ、母ウエルカムサンシャインと言う血統で、青森県の牧場で生まれました。ご高齢なのに、馬協で一番の働き者で、一番の稼ぎ頭だったチャージャのことを、ご本人にはひどい迷惑かもしれませんが、私は愛をこめて『チャージャおじいちゃま』と呼ばせて頂いていました。
乗馬を始めたときからお世話になりっぱなしで、乗り方も手入れの仕方もすべてこのチャージャに教えてもらいました。馬協の会員のほとんどが、このチャージャのお世話になりました。多くの方が、チャージャのおかげで各大会で優秀な成績をおさめることができました。私も、一緒に出させていただいた試合では、実力以上のいい成績を出させてもらいました。
彼も実は引退馬。美浦の成宮厩舎所属で、中央で2戦した後、成績が振るわず引退。その後、最後を迎えるはずの場所で、馬協の方に見出され、生まれ故郷の青森に帰ってきました。チャージャはその恩返しをするかのように、本当に本当によく頑張ってくれました。
そして、24歳になった2004年6月30日。まるで自らその日を最期と決めていたかのように永眠されました。あまりにも突然に、そして最後まで賢く、誰にも迷惑をかけないようにして...。
悲しみは尽きませんが、大好きなおじいちゃまに教えていただいたことは決して消えることはありません。また、一頭の引退馬が、こんな風に命を与えられ、活躍し、皆に愛されてその命を全うすることができる素晴らしさを、その一生をかけて教えてくれたように思います。引退馬の問題に関心を持っている私が、アイノチャージャーという素晴らしい引退馬と出会うことができたのは、運命だったような気がします。『命を与えられる』ことの意義をしっかりと考えなさいと、教えてもらうために。
きっと今おじいちゃまは、馬協の守り神様として、私たちを見守ってくださっているはずです。おじいちゃま。どうかゆっくりと、大好きな草を食みながら、大好きなゴロンを楽しみながら、真っ青な空を好きなだけ走っていてください。私はこれから娘と二人、おじいちゃまのいらっしゃる空を眺めながら、一緒に頑張って行きます。それが、『馬を信じて乗る』ことの大切さを教えてくださったおじいちゃまへの一番の恩返しになるはずだと信じています。
一頭の大好きな引退馬さんに 心からの感謝と愛をこめて。
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アイノチャージャー号
1980年5月19日
青森県横浜町生まれ
父 パーソナリティ
母 ウエルカムサンシャイン
弘前馬術協会所属
2002年
日本馬術連盟 功労馬賞受賞
2004年6月30日
皆に見守られて 永眠
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